複数の建築会社から企画が持ち込まれたものの、どのような物件を建てるべきか迷われていたオーナー様。私たちはさっそく周辺物件を徹底的に調査・分析し、そこから導き出した企画提案書を提出しました。
結果、他と違ってこの企画は納得できるとオーナー様からお墨付きをいただき、計画がスタート。
完成1ヶ月前にして部屋は満室となり、また現在も満室の状態で稼動しています。
◆"感覚"では分からないニーズ 今回の市場調査では周辺物件のデータ収集だけでなく、周辺の不動産業者の協力のもとに入居者ニーズの調査を行ないました。
そこから分かってきたのは、このエリアには単身者が多いものの、学生等の若者とは違う“いい大人”の需要があるということ。もともと緑の多い閑静な住宅地であることもあり、ワンランク上の住環境を求めた単身者がこのエリアで部屋を探していたのです。
入居者ニーズ調査から上がってきた「30m
2程度のシングルタイプを探している方」は27%。
ところが、周辺3000戸を調査した結果、その条件を満たしている物件はなんとたったの3%!
確かにこのエリアには大学もあり、学生たちの街というイメージが強くありました。
しかし、その“イメージ”が20m
2程度のワンルーム・1K物件の乱立を呼び、供給過多を引き起こしていたのです。
きちんと数字を把握すれば「これしかない!」という答えが見えてきます。今回であれば、この「30m
2の1K」のニーズに対して供給が少なすぎることが分かったはずです。なのに、イメージに流されて誰もそのことに気がつかない……、だから市場調査が大切なのです。
コンセプトは決まりました。
30m
2程度の広めの1k、暮らしにゆとりを生む高品質な空間。
また、ターゲットを女性に絞り、デザイン・セキュリティ・収納力にこだわりました。
結果は――、前述した通りの盛況ぶりです。
調査の中で浮かび上がってきたもうひとつの結果、"女性"のニーズ。
ここに対してどのような形でアピールをしていくか、というのも今回の企画のポイントでした。
広めの1Kを希望されている女性が求めているのは、「広い部屋」ではなく「上質な空間」「ゆとりのある生活」です。
そこで、デザインは一貫して白を基調としたモダンなデザインに。膨張色を使うことで空間の広さも引き立ちます。
また、アルミ製の水平ルーバーをバルコニーに配置し、デザイン・セキュリティ・プライバシーに総合的に配慮しました。
そして収納。こちらは3タイプの部屋を用意しましたが、どのタイプのお部屋も壁一面をクローゼットとする十分な収納スペースを用意。このクローゼットは天井まで届く引き戸タイプとすることで、戸を閉めれば収納として、戸を開ければ部屋の一部として使えるよう工夫されたものです。
設備についても女性のニーズの高いものを用意。
防犯カメラ・オートロックつきの共用玄関には宅配ボックスを設置しました。キッチンには料理のしやすいIH2口コンロを採用。浴室乾燥機能つきのバスルームは広めのタイプを導入し、生活の中の「ゆとり」の演出を後押ししています。トイレ・バスルームの前にワンクッションとして置かれた脱衣スペース、通常よりも広めにとられたバルコニー……、挙げていけばきりがありませんが、建物全体に細やかな配慮が施されています。
実際に物件を見ていただくと、もしかしたら「ここまでするのか?」と驚かれるかもしれませんね。